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南武線ワンマン運転化への疑問と市民の懸念/Doubts about the one-man operation of the Nambu Line and citizens' concerns

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  南武線ワンマン運転化への疑問と市民の懸念 川崎市の南北を結び、市民生活の重要な足である JR 南武線で、 2025 年 3 月 15 日からワンマン運転が強行されました。この決定に対し、地域住民や市民団体からは、安全性や利便性の低下、そして JR 東日本の経営姿勢に対する強い懸念と疑問の声が上がっています。 ワンマン運転化への主な懸念 これまでの南武線では、橋上駅舎化の遅れや「開かずの踏切」の解消、臨時改札の開場時間延長など、安全性・利便性の向上を求める市民の要求運動が続いていました。このような未解決の課題が残る中で強行されたワンマン運転は、さらなる問題を引き起こすのではないかと危惧されています。 主な懸念点は以下の通りです。 安全確認の徹底 :これまで車掌が担っていた駅構内でのドアの開閉や安全確認が、運転士一人に委ねられることになります。特に乗降客が多い駅や、ホームがカーブしている駅などでの安全確保が危ぶまれています。 緊急時の対応 :人身事故や急病人の発生など、緊急事態が発生した際の対応力が低下する可能性が指摘されています。車掌が乗務していれば、運転士と連携して迅速な救護や状況確認が可能ですが、ワンマン運転では運転士一人が全てを判断・対応しなければなりません。 運転士の負担増 :車掌の業務が運転士に集約されることで、運転士の身体的・精神的負担が激増し、それが病気や離職につながる可能性が懸念されています。 市民・団体からの要請と国土交通省の認識 この問題に対し、市民への十分な周知がないままワンマン運転が始まったことから、川崎市議会でも 井口真美 ( 日本共産党 ) 市議 が南武線ワンマン運転の見直しを JR 東日本に求めるべきだと市長に問いただしましたが、市長は「民間事業者が決めたこと」として具体的な対応は行いませんでした。 これを受け、 2 月 20 日には「久地駅と久地踏切の改善を求める会」「中野島駅をよくする会」「稲田堤駅周辺の環境を考える会」「鹿島田・新川崎まちづくりの会」の 4 団体が、国土交通省へ緊急要請を行いました。 市民団体からの主な質問 : 首都圏で混雑率がワースト 5 位内に入る南武線のワンマン運転化を、国交省はどのように捉えているのか。 『鉄道に関する技術基準』で定めら...

JR中央本線 梁川駅での車掌を置いて発車した事例/Example of departing a train with a conductor at Yanagawa Station on the JR Chuo Main Line

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  JR 中央本線 梁川駅での車掌を置いて発車した事例 2025 年 5 月 28 日午後 6 時 11 分ごろ、 JR 中央本線 梁川駅において、高尾発甲府行きの普通列車( 543M 、 6 両編成、乗客約 170 人)が、車掌を乗せないまま発車するという事象が発生しました。 事象の流れ 列車が梁川駅に到着し、乗降が終了。 車掌が列車のドアを閉めた直後、ホームで転倒した乗客を目撃。 車掌はとっさの判断で列車を降り、救護に向かいました。この際、 車掌は運転士に下車したことを伝えていませんでした 。 一方、運転士は運転台のパネルに「ドアが閉まった」ことを示すランプが点灯したため、通常の手順通りに列車を発車させました。 列車は次の鳥沢駅に到着しましたが、運転士はドアが開かないことで異変に気づき、乗客からの連絡で車掌が乗っていないことを初めて知りました。 運転士が手動でドアを開け、その後、大月駅から代わりの車掌が上り列車で到着。 列車は 16 分遅れで運転を再開 しました。 幸い、ホームで転倒した乗客にけがはありませんでした。 JR 東日本八王子支社は、今後、列車を発車させない措置を取ってから対応するよう、乗務員への指導を徹底するとしています。 発車合図方式の違いと今回の事象 今回の事象は、鉄道会社や地域によって異なる 列車発車の合図方式 が大きく関係していると考えられます。 1.      知らせ灯式( JR 東日本 電車) JR 東日本の電車列車(今回のような事象が発生する可能性のあるケース)では、「 知らせ灯式 」が採用されています。これは、運転台にある「知らせ灯」が点灯することで、すべての乗降扉が閉じていることを運転士が確認し、これを車掌からの出発合図とみなして発車する方式です。車掌からの直接的なブザーや電鈴(ベル)による合図はありません。 2.      車内ブザー式・車内電鈴式(多くの鉄道事業者) JR 東日本以外の JR 旅客 5 社の在来線電車列車や全ての気動車列車、そしてほとんどの私鉄や公営鉄道では、「 車内ブザー式 」または「 車内電鈴式 」が採用されています。これは、車掌が乗務員室にある連絡ブザーや電鈴を操作して...