JR型だが床下が国鉄形【国鉄形車両】#8

JR型だが床下が国鉄形【国鉄形車両】#8

車体

設計はJR東日本東京圏運行本部車両部検修課に設置された「107系電車社内新造プロジェクトチーム」と東急車輌製造が担当した。

JR東日本として社内新造は初めてのことであり、材料からの製造は困難であることから、製造当初はいずれも加工済みの妻構体と長手方向(線路方向)に3分割した側構体・屋根構体・台枠を東急車輌製造から購入し、自社工場で組み立てを行うノックダウン生産を実施した。

 

構造

これは1989年(平成元年)度までに製造された0番台全編成と100番台115編成までで、1990年(平成2年)度製造の100番台116 - 119編成はさらなるコストダウンと技術力向上のため、構体部分から部内製作を行った完全な新製車体である。

車体形状は、日本国有鉄道(国鉄)が1981昭和56年)に新製した105系新製車に準じており、20 m 普通鋼製車体に半自動式の両開き扉を片側3か所に設置した。ただしドア位置については将来のワンマン運転を考慮し、特に運転台側の客用扉を119同様105系に比べてやや車端部に寄せている。

前面は105系に類似した切妻の貫通形で、105系と比較すると前照灯尾灯の配置が垂直方向から水平方向に変わる。排障器(スカート)は新製時から装着されており、電気連結器部分を避けるかたちで左右に分割した形状となった。

 

車内

客室側窓は下降式1枚窓を扉間に2枚と戸袋窓を設置するが、1989平成元年)製の100番台2次車からは戸袋窓を廃したうえで下降窓3枚とし、後に新製された719に類似した窓割りとなった。

座席は、ラッシュ時における混雑緩和のためクハ106形のトイレに対向する部分を除いて全席ロングシートとしたが、長時間乗車を考慮して座面奥行きを確保したうえで深い位置で自然に座れる「ブリッジシート」と称する形状である。1人分の区画を明確化し、座席の定員乗車を促す副次的効果ももつ。

冷房装置はクモハ107形にAU79A集中式1基、クハ106形に165系廃車発生品であるAU13E分散式6基を搭載する。このため両形式では天井構造が異なり冷風吹出口も、クモハ107形は平天井ラインフロー、クハ106形は装置個別直接式を採用する。

 

主要機器

119に準じた1M方式を採用。主制御器は勾配区間での運用に対応するため、力行抑速時ともノッチ戻し制御可能で抵抗弱め界磁制御方式のCS54B形を搭載。

ブレーキは抑速発電ブレーキ併用応荷重装置付きSELD電磁直通ブレーキで、165系からの発生品に応荷重装置を付加して再用した。

走行機器も165系からの再用品で、台車はクモハ107形はDT32もしくはDT32B型、クハ106形はTR69B形を装着。DT32形では車体重量の増加に伴って軸バネを新設計のものに交換した。運転台側台車前位には雪かき器(スノープラウ)を装備する。主電動機は定格出力120 kWMT54B形もしくはMT54D4基を永久直列接続とし、普通列車運用での加減速頻度向上に対応するため歯車比165系の1:4.21から1:5.60に変更して起動加速度を向上させた(本系列では1.7 km/h/s)。

パンタグラフは国鉄形電車の標準形式であるPS16形をクモハ107形に搭載する。

補助電源装置はクモハ107形に165系から再用品の容量110 kVAの電動発電機 (MG) を搭載する一方で、空気圧縮機 (CP) はクハ106形に搭載する。

分割・併合時の作業簡略化のため電気連結器を装備するが、KE76ジャンパ連結器3基も装備するため、上述する制御方式も含めて115165系などとも併結可能な構造である。

 

詳しくはWikipedia

 

107系走行音 井野~前橋

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