東日本旅客鉄道E8系新幹線、相次ぐ補助電源装置故障の深層 — 製造メーカー三菱電機の関与と今後の展望／East Japan Railway E8 Shinkansen, the depths of a series of auxiliary power supply failures — Involvement of manufacturer Mitsubishi Electric and future prospects

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東日本旅客鉄道E8系新幹線、相次ぐ補助電源装置故障の深層 — 製造メーカー三菱電機の関与と今後の展望

2025年6月17日に発生したJR東日本のE8系新幹線車両の相次ぐ故障は、東北・山形新幹線に甚大な影響を与え、多くの利用客に不便と心配をかけています。JR東日本は、これらの故障が補助電源装置（SIV）の不具合によるものであることを公表し、現在も原因究明と対策に努めています。特に、三菱電機製の半導体素子に損傷が確認されていることから、その原因が注目されています。

これまでの経緯と現在の調査状況

前回ご報告した通り、6月17日にはE8系の4編成（G8, G9, G10, G11）で計4件の車両故障が発生しました。これら全ての故障において、補助電源装置の異常が確認されています。JR東日本とメーカーによる詳細な調査の結果、故障が発生した6台の補助電源装置内部で、同部位の半導体素子に損傷が見つかりました。 この半導体素子の損傷が、車両のモーターを制御する主変換装置への電力供給を断ち、冷却装置の停止と回路保護動作を引き起こし、最終的に走行不能に至らせたものと見られています。

現在も半導体素子が損傷した根本的な原因は特定されておらず、気温などの環境的要素を含め、あらゆる観点から鋭意原因究明が進められています。

E8系補助電源装置と三菱電機製半導体の関連性

今回故障したE8系の補助電源装置に搭載されていたと見られるのが、東洋電機製造のものと類似したなのでE6系と同様の同じSIVの可能性が高いが、補助電源装置の中にある半導体のチップが途中で変更したのか知らないが、三菱電機製の「HVIGBTモジュール S1シリーズ」です。この製品は2024年12月26日に発売されたばかりの最新のもので、故障が発生したG9編成の落成が2025年1月21日と比較的最近であることから、この編成から仕様変更により当該製品が採用された可能性が指摘されています。

補助電源装置内部の半導体素子の損傷は、写真からも非常に深刻な状態であることが伺え、専門家からは「爆発」「物理破壊」「焼損」といった表現でその状況が語られています。このような大規模な損傷は、単なる定格オーバーでは起こりにくいとされ、過電圧や短絡による瞬間的な過熱、あるいは設計上の問題など、多角的な視点での原因特定が求められます。

車両製造メーカーと補助電源装置の関連性について

ご指摘の通り、E8系の製造メーカーである川崎車両や日立製作所と、補助電源装置の故障との間に直接的な因果関係は薄いと考えられます。 車両製造メーカーは、車体や台車、各種機器の搭載など車両全体の組み立てを担いますが、補助電源装置のような主要な電気機器は専門のメーカーから供給されることが一般的です。

E8系の編成別の製造メーカーは以下の通りです。

  • G1編成：川崎車両と日立製作所による共同製造
  • G2編成～G6編成：日立製作所製
  • G7編成：川崎車両製
  • G8編成：川崎車両製
  • G9編成：日立製作所製
  • G10編成：川崎車両製
  • G11編成：川崎車両製

今回故障が確認されたG8、G9、G10、G11編成には、川崎車両製と日立製作所製が混在しており、いずれの車両でも補助電源装置の半導体素子に問題が確認されていることから、特定の車両製造メーカーに起因する問題ではないことが裏付けられます。

当面の運行対応と利用者への影響

現在、JR東日本はE8系の単独運転を全て取りやめており、山形新幹線は福島駅で折り返し運転を行っています。これにより、山形新幹線（福島～山形・新庄間）の列車本数は通常の約8割程度に減少しており、福島駅での乗り換えや車内の混雑など、多くの利用客に不便と心配をかけています。この対応は、原因が判明するまで継続される予定です。

今後の展望と課題

今回のE8系補助電源装置の故障は、最新のパワー半導体技術と鉄道車両の安全性という、重要なテーマを浮き彫りにしています。三菱電機製の最新型半導体が関与している可能性が高いことから、その製品の信頼性や、車両システムとの適合性などが今後の調査の鍵となるでしょう。

JR東日本は、これまでにもE233系などで補助電源装置の二重化を図るなど、冗長性を高める対策を講じてきました。しかし、最新鋭のE8系でこのような同時多発的な故障が発生したことは、鉄道インフラにおける新たな課題を示唆しています。

JR東日本がどのように原因を特定し、再発防止策を講じるのか、そして利用者の信頼をどのように回復していくのか、今後の動向が注目されます。

 

 

East Japan Railway E8 Shinkansen, the depths of a series of auxiliary power supply failures — Involvement of manufacturer Mitsubishi Electric and future prospects

The successive failures of JR Japan's E8 series Shinkansen trains that occurred on June 17, 2025 have had a devastating impact on the Tohoku and Yamagata Shinkansen, causing inconvenience and concern to many passengers. JR East Japan has announced that these failures were caused by a malfunction of the auxiliary power supply unit (SIV), and is still working to investigate the cause and take countermeasures. In particular, damage to semiconductor elements made by Mitsubishi Electric has been confirmed, and the cause of this has attracted attention.

History and current status of the investigation

As previously reported, on June 17, a total of four vehicle breakdowns occurred in four E8 trains (G8, G9, G10, and G11). In all of these failures, an abnormality in the auxiliary power supply has been identified. As a result of a detailed investigation by JR East Japan and the manufacturer, damage was found to the semiconductor elements in the same area inside the six auxiliary power units where the failure occurred. It is believed that the damage to this semiconductor element cut off the power supply to the main converter that controls the vehicle's motor, causing the cooling system to stop and the circuit protection operation, which ultimately led to the inability to run.

Even now, the root cause of the damage to the semiconductor device has not been identified, and the cause is being diligently investigated from all perspectives, including environmental factors such as temperature.

Relationship between E8 series auxiliary power supply units and Mitsubishi Electric semiconductors

It seems that the auxiliary power supply of the E8 series that failed this time is similar to that of Toyo Denki Manufacturing, so it is likely that it is the same SIV as the E6 series, but I don't know if the semiconductor chip in the auxiliary power supply was changed on the way, but Mitsubishi Electric's "HVIGBT module S1 series". This product is the latest product that was just released on December 26, 2024, and since the G9 train where the failure occurred was completed relatively recently on January 21, 2025, it has been pointed out that the product may have been adopted due to a specification change from this formation.

The damage to the semiconductor elements inside the auxiliary power supply unit can be seen from the photographs to be in a very serious condition, and experts have described the situation with expressions such as "explosion," "physical destruction," and "burnout." Such large-scale damage is unlikely to occur simply by overrating the rating, and it is necessary to identify the cause from multiple perspectives, such as instantaneous overheating due to overvoltage or short circuit, or design problems.

What is the relationship between the vehicle manufacturer and the auxiliary power supply?

As you pointed out, there is no direct causal relationship between Kawasaki and Hitachi, which are manufacturers of the E8 series, and the failure of the auxiliary power supply. The vehicle manufacturer is responsible for assembling the entire vehicle, including the body, bogies, and various equipment, but the main electrical equipment such as the auxiliary power unit is generally supplied by a specialized manufacturer.

The manufacturers of the E8 series by formation are as follows.

  • G1 formation: Joint production by Kawasaki Railcar Manufacturing Co., Ltd.and Hitachi, Ltd.
  • G2~G6: Hitachi
  • G7 formation: Kawasaki Railcar Manufacturing Co., Ltd.
  • G8 formation: Kawasaki Railcar Manufacturing Co., Ltd.
  • G9 formation: Hitachi, Ltd.
  • G10 formation: Kawasaki Railcar Manufacturing Co., Ltd.
  • G11 formation: Kawasaki Railcar Manufacturing Co., Ltd.

The G8, G9, G10, and G11 trains that were confirmed to have failures this time are a mixture of Kawasaki and Hitachi, and problems with the semiconductor elements of the auxiliary power unit have been confirmed in all of the vehicles, confirming that the problem is not caused by a specific vehicle manufacturer.

Immediate operation response and impact on users

Currently, JR East Japan has canceled all independent operation of the E8 series, and the Yamagata Shinkansen is turning around at Fukushima Station. As a result, the number of trains on the Yamagata Shinkansen (Fukushima ~ Yamagata-Shinjo) has decreased to about 80% of the normal number, causing inconvenience and worry for many passengers, such as changing trains at Fukushima Station and congestion on the trains. This action will continue until the cause is determined.

Future Prospects and Challenges

The failure of the E8 series auxiliary power supply highlights the important theme of the latest power semiconductor technology and the safety of rail vehicles. Since the latest semiconductors from Mitsubishi Electric are likely to be involved, the reliability of the product and its compatibility with vehicle systems will be key to future investigations.

JR East Japan has taken measures to increase redundancy, such as redundant auxiliary power units in the E233 series and other systems. However, the occurrence of such simultaneous failures in the state-of-the-art E8 series suggests new challenges in rail infrastructure.

It will be interesting to see how JR East Japan identify the cause, take measures to prevent recurrence, and how it will restore the trust of users.

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